2020/07/24
こちらでは里山の布がどのように染め上がったか、その過程をご紹介します。
1.プリントの型
里山の布はすべて職人さんの手作業で染められています。
手捺染(てなっせん)という方法です。
柄の色別に型があります。人の手が届く大きさなので、おおよそ縦110cm×横80cmぐらいの大きさです。持ち運びができるようにアルミで出来ています。女性が持つにはちょっと重たいです(笑)
型はまた専門の会社さんで作っていただいてます。
透明のところが染料が落ちる場所です。黒いところは染まらない。
2.台に生地をはっていく
長さ25メートルぐらいある台に生地を貼っていきます。しわを伸ばして丁寧にすばやく。
3.染めていく
染料を流し込んで染めます。(写真がプリント後ですが、ご了承ください)
上から下へと専用の道具を使って素早く染めます。実は「染める」じゃなくて「かく」というようです。
両手を使ってスーッと。これ、やってみるとわかるんですが右手と左手で力加減がちがうので難しいんです。ここはやっぱり職人技ですね!
一色め。私は生地の色となるベースの色から染めるのかと思っていたのですが、薄い色からのせていくそうです。
その色が終わったら専用の機械で型を洗います。高圧洗浄機の大きいバージョンみたいなのです。
2色め。ひとつ飛ばしで染めていきます。
上から下への染たら型を動かして(もちろんそれも手作業!)どんどん作業をしていきます。写真が追い付かないぐらい早いです(笑)
同じ作業を繰り返して3色めも完了。この時点では染料が乾いていないので濃いめに見えます。同じ工程をして4色めの生地のベースとなる色も終わりました。(4色目の写真がなくてごめんなさい)
そして、最後に柄の主線となる色を染めていきます。型がさっきまで黒色だったのに青になりました。これは型の目の粗さを表しています。線は細くしたかったため、より細かい目の型を作っていただきました。
線の太さに合わせてかく道具も変わります。細い線をかくときは先が尖ったものを使うんだそうです。
ちなみにこれは1~4色めのもの。先が丸くなっています。分かりにくいかもしれませんが、ひとつ上の写真とみくらべてみてください。素材は硬めのゴムみたいな素材でした。
この長い台の下は実はヒーターになっていて、乾かしながら染めることができるんです。全体的にすこし乾かしてから線をかいていきます。この主線のことは「いとめ」というらしいです。
なんだかんだであっという間に作業が終了しました。ほんとうに素早いです。
生地端はこんなふうになっています。
最終チェックをして完成です。
このあとは生地を蒸して乾かして反物として巻きつけるのですが、それはまた別の工場さんで行います。
4.感想
取材させていただいた日は、蒸し暑い日でした。ボイラーのゴーっという音が響き、わずかにクーラーがきいているかな?という感じではありましたが、窓は全開だったので暑い中での作業でした。
染料もどんどん乾いていくのでスピードと正確さが求められるお仕事だと思います。迷いなく作業される姿はやぱり職人さんだな!と感激しました。
インスタグラム(@nunotokurashito)にもハイライトで動画を残しておりますので、お時間ありましたらご覧ください。